急がば回れ 2018 4 15

 ロシアは、世界各地の紛争において、
すべて勝利していますが、
これが、将来的には、ロシアの苦境を招くでしょう。
 なぜかというと、
ロシアは、戦術において勝っていますが、
戦略において、欧米諸国に負けているからです。
 これは、第二次世界大戦の日本と似ているのです。
当時の日本は、アメリカに対しても、
中国に対しても、欧州に対しても、
短期的には次々と勝利を収めていきましたが、
長期的には敗北で終わりました。
 これは、日本には、戦術はあっても、
戦略がなかったために敗者となったと言われています。
 さて、2018年4月15日の国際戦略コラム(No.5994)には、
このような記事がありました。
(以下、引用)
 ロシアは、シリアに対しても、
クリミア半島や東ウクライナで確立したハイブリッド戦術を使っている。
ロシア民間軍事会社の要員の多数がシリア内戦に従事している。
 しかし、ロシアも、
多数の戦闘機、陸軍軍人を民間人として参加させて、消耗戦になっている。
 ロシアの経済力は、韓国より少ないので、
この経済力で長期にシリアの内戦を戦うことは、
相当な経済力の消耗になっている。
 このため、ロシア経済は、
欧米の制裁もあるが、長期低迷を続けている。
(以上、引用)
 ロシア経済の問題点は、
経済が石油や天然ガスに依存していることです。
 しかしながら、石油や天然ガスの価格は、
非常に不安定なものがあり、
長期的に低迷することもあれば、
突然、高騰することもあります。
 このような状況で、
ロシアの経済力は、韓国より少ないので、
非常に厳しいものがあります。
 ロシアは、資源に依存した経済を転換させる必要があります。
その時、日本が参考になるでしょう。
 日本は、戦争に負けて、国土が廃墟になりましたが、
資源がなくても、知恵と努力で、
世界トップレベルの経済大国に復興したのです。

過去と未来の間で 2013 5 19

 あれは、イラク戦争(2003年から2011年)が始まった時のことです。
開戦の際に、ホワイトハウスで緊急記者会見が開かれました。
 日本時間では深夜でしたが、
ラムズフェルド国防長官が質問に答えている様子を覚えています。
 私の記憶が確かならば、
アメリカ人の記者が、このような質問をしていたと思います。
「イギリスに前方展開しているB52爆撃機が、
イラクへ向かって飛び立ったという情報がありますが、
東京大空襲のように、また市民を犠牲にするのですか」
 これに対して、国防長官は、
「とんでもない。そんなことはない」と強く否定しました。
 イラク戦争が始まったことで、
世界中が騒然とする中で、
いきなり東京大空襲の話が出てきたので、
私は、びっくりしてしまいました。
 「まだ、アメリカは、東京大空襲のことを気にしていたのか。
あれは、もう60年も前の話である」
 おそらく、東京大空襲のことを気にしている日本人は、
もう、いないと思います。
それどころか、東京大空襲を知らない日本人の方が多いと思います。
 東京大空襲とは、第二次世界大戦の末期に、
アメリカ軍のB29爆撃機によって行われた空襲で、
数十万人の市民が犠牲になりました。
 戦後、日本人は、東京大空襲のことで、
アメリカを恨むことなく、
アメリカから高度な技術を学び、
焼け野原から、世界第二位の経済大国まで復興したのです。
 敗戦の焼け野原の中で、
多くの日本人は、「恨み心で恨みは解けない」と考え、
むしろアメリカから技術を学んで、復興すると誓ったのです。
 多くの人にとって重要なのは、歴史家になるのではなく、
未来をどうするかを考えることです。
 もちろん、日本にとって、幸運だったのは、
戦後、大成功を収めたからこそ、
東京大空襲のことを忘れてしまったのかもしれません。
もし、失敗者だったら、いまだに東京大空襲を恨んでいたかもしれません。
 しかし、未来の扉は、未来を考える者にしか開きません。
私の目は、未来の扉を見ています。
21世紀の後半になると、今と全く違う世界になっているでしょう。
































































































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